先日の記事で、珪藻土のお話をいたしました。
今回は、キッチンのレンジ周りに珪藻土を使う事例をご紹介します。
１０年ほど前に、キッチンのインテリアを承りました、東京都のＹさま邸のお話でございます。
お料理が得意な奥様は、調理後の掃除が悩みの種でした。
特に、ガスレンジ周りの壁面の汚れです。
料理をされる方なら、だれもが気になるところですね。
Ｙさま邸では、TOYO KITCHEN のおしゃれなシステムキッチンを導入。
照明器具や小物にもこだわり、おしゃれな奥様でいらっしゃいます。
けれども、ガスレンジ周りの壁だけは、タイルにしてもクロスにしても掃除が面倒。
油汚れや調味料のはねなどで汚れてしまっては、
せっかくのおしゃれなキッチンも台無しです。
何かいい案はないかと、ご相談にいらしてくださいました。
そこでわたくしたちが提案したのが、珪藻土のタイルでございます。
当時、珪藻土は今ほどは普及しておりませんでした。
Ｙさまご夫妻も、なんだか実験台にされているような・・・そう思っていらっしゃるようす。
珪藻土を扱っている業者さんも交えて、じっくり時間をかけて相談し、
ガスレンジを含め、シンク周りまでの一帯に
珪藻土のタイルを貼り付けることにしました。
シルバーベースのシンプルなインテリアに、
ランプのオレンジと珪藻土タイルの色が映えます。
もともとキッチンの壁面は白いビニールクロスでした。
珪藻土のタイルを張り付けると圧迫感が出るのではと心配していたのですが、
逆にあたたかみが出て、おしゃれな雰囲気に仕上がりました。
奥様にもたいへん気に入っていただけました。
さて、ガスレンジ周りの状況でございます。
施工後、奥様からさっそくお電話がありました。
「揚げ物しても、中華料理をつくっても、タイルがぜんぜん汚れないんです！」
と感激の声。
当時は少し大胆な提案でしたので、スタッフ一同、胸をなでおろしたものです。
それから１０年ほどたち・・・
Ｙさまご夫妻がリフォームのご相談にいらしてくださいました。
キッチンの珪藻土タイルの様子をうかがいましたら、
やはり１０年たってもガスレンジ周りのタイルは
ほとんど汚れていないとのことです。
「一度も掃除したことないんですよ～」
と奥様、にこにこです。
下見にうかがいましたときに、写真を撮らせていただきました。
ほとんど汚れていません。
一部、ほんの少しシミが見られるだけです。
１０年間一度も掃除をせずに、この状態とは、スタッフのわたくしも驚きました。
珪藻土の力はすごいですね！
予想以上でした。
奥様は室内の広範囲にタイルを張ることを、別の意味でも心配されていました。
それは、地震です。
「地震がおきたら、タイルがばらばらと崩れそう・・・」
とても不安だったそうです。
けれども、３月の大きな地震でも、タイルは無事でした。
Ｙさま邸の地域では震度５強の大きな揺れだったのです。
珪藻土は今はもうだいぶ普及し、お値段もお安くなっておりますので、
おすすめしたい材料の一つでございます。
