2011-06-03

空間が人をつくる~子ども部屋から

忘れられないSTORYがあります。

もう20年ほど前のことになりますでしょうか。

横浜市在住のお宅の全面リフォームを承った際、
息子さんのお部屋もコーディネートいたしました。

その頃、彼は高校生。

クライアントさまのお話ですと、かなりやんちゃな息子さん。

大音量の音楽
爆音をとどろかせるバイク
ヘアスタイルは so artistic !

高校生の本業であるお勉強のほうは・・・
お母さま、頭を抱えていらっしゃいました。

どうしたらちゃん勉強してくれるか
どうしたらちゃんと学校に行ってくれるか
どうしたらちゃんと家に帰ってきてくれるか


長津も一人の母親です。
コーディネーターとして、そして、同じ母親として、
じっくりとお話をうかがいました。

そして長津の出した提案は・・・

「大好きなもので満たした子ども部屋にしよう!」

え、勉強部屋をつくるのではないの?

そうなのです。

長津が考えたものは、その逆なのでした。


勉強するスペースはどこにも見当たりません!

彼の大好きなものがたくさん収納できるように、
シックなシェルフを備え付けました。

そのシェルフにも問題集や参考書は見当たりません。

勉強机の代わりに、作業スペースとしてガラステーブルを設置。

そのほかは、寝るだけのベッド・・・

そう、
まるで秘密基地みたいなのです!

西宮大策『himitsukichi』

1年後・・・

彼は、浪人生でした。

彼の秘密基地で、大好きなことに没頭し、美術大学を目指していました。

そしてその翌年の春・・・

見事、有名美大に合格!

そして懸命な研鑽を積み、
今では
大手広告代理店の敏腕プロデューサー
というお話です。

長津の目論見が見えましたね!

子ども部屋=勉強部屋

ではないのです。

その子の持つ長所をいかに最大限に引き出すか。

子ども部屋をコーディネートする際に、
わたしたちはそのことを大きなテーマにしています。

それにしましても、
インテリアが人に与える影響の大きさ・・・
本当に驚くものでございます。

わたくしどもオフィスの「子ども部屋プロジェクト」
ただいま活動中です!